スペインの代表的なトマト料理
皆さんはスペイン料理といえば何を思い浮かべますか？
スペイン料理と一言で言っても地域に根付いた伝統料理からマドリードやバルセロナ、バスク地方で人気を博しているモダンなスペイン料理など様々です。また、同じ様な料理でも北部や沿岸沿いと内陸では気候や風土、文化によって材料や料理法も様々です。 スペイン料理は主にオリーブオイル、にんにく、トマトなどを使った料理が多いのも特徴です。このスペイン料理は2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
今回は各地域のトマトを使用したスペイン料理を紹介します。
1.スペイン初のトマトレシピとは？
トマトは16世紀の大航海時代にメキシコに上陸したエルナン・コルテスによってとうもろこしやジャガイモ、香辛料と共にヨーロッパに持ち込れました。スペインには1540年にセビージャの港に到着しました。当初、ヨーロッパに持ち込まれたトマトは黄色でした。また、当時はベラドンナという有毒植物に似ていたことから毒を含んでいるとされ、観賞用としてのみ用いられました。18世紀になりようやく現在の様な食用のトマトがヨーロッパで広まり始めました。スペインでは1692年にトマトを使用した最初のレシピ “salsa de tomate al estilo estañol”（スペイン風トマトソース）が公表されました。
2.スペインは世界で有数のトマト生産国！
国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによるとスペインは2021年世界のトマト生産国で第6位となっています。毎年8月にはバレンシア州のブニョールでトマト投げの祭り（トマティーナ）が開催されるなどスペインのトマトはお祭りにまで使用される程です。
3.スペインの代表的なトマト料理
- ・Pan con tomate (Cataluña) トマトのパントースト
- ・Pisto トマトと野菜の煮込み
- ・Gazpacho (Andalucía）トマト、野菜、にんにく、オリーブオイル、ワインビネガーのスープ
- ・Salmorejo (Andalucía）トマトとパン、オリーブオイル、にんにくのピュレ
- ・Carcamusa (Castilla La Mancha-Toledo) 豚肉、チョリソと野菜のトマト煮込み
- ・Magro con tomate (Castilla La Mancha) 豚ロースとトマトの煮込み
- ・Bonito con tomate (Cantabria y País Vasco) カツオのトマト煮込み
スペイン内陸では豚肉をはじめ、うさぎや羊肉を使った伝統料理が多いのですが、それはCarcamusaやMagro con tomateなどトマト料理にも反映されていますね。スペイン北部は新鮮な魚介を使った料理が有名なので、カツオなど魚を使ったトマト料理が食べられているのも肯けますね。
※括弧内の地名では特に有名です。
4.トレドの絶品Carcamusa!
当校のスタッフが日本人の口に合い、美味しいと絶賛しているのはToledo（トレド）で食べたCarcamusaです。Toledoに滞在中に何度も訪れるほど美味しかったそうです。地元の人にも人気な老舗Bar Ludeñaでは絶品Carcamusaが食べられます。ToledoのCarcamusaはこのBar Ludeñaが発祥です。皆さんもToledoに行かれた際には是非、立ち寄ってみてくださいね。
また、スペインは地域によって風土や文化が違う為、その地域でしか食べられない料理も多々あります。マドリードやバルセロナなどの都市ではスペイン全土の郷土料理を一通り食べれますが、地方に住むスペイン人はやはりその他の地域の郷土料理にはあまり馴染みがない様で、当校の講師も食べたことがないという料理も多々ありました。それほど、スペインは地域色が強いんですね。
トレドで絶品Carcamusaが食べられるお店 トレド Bar Ludeña
（参考）
JardinaeriaOn オンライン（スペイン語） Historia del Tomate
Diario Digital de Actualidad Hortofrutícola オンライン（スペイン語）España produce 3’6 veces más tomate que Marruecos y 5’4 veces más que Holanda